萱野茂二風谷アイヌ資料館は、初代館長である故・萱野茂氏が半世紀にわたって収集・保存してきたアイヌの伝統的生活用具を収蔵・公開しています。萱野茂氏は、民俗文化研究家としてアイヌ文化の継承、資料の収集に終生、尽力しました。 萱野氏によって収集が始められた1950年代初頭は、日本社会全体の高度経済成長とともにアイヌの生活文化の変容も急速に進む状況にありました。とはいえ、伝統的な生活を深く知る明治生まれの古老たちが当時はまだ健在でもあったのです。萱野氏は彼らから直接伝承を受け継ぎながら、アイヌの生活用具を収集し、また製作しました。そのため、萱野氏のコレクションには実際に使用できる日常の暮らしの道具がまとまりとして揃っています。 当館所蔵の萱野茂氏による収集資料のうち、202点が「北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション」として2002年に文化庁より重要有形民俗文化財の指定を受けました。

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